これによって安全保障分野の内外への同時配慮、分野の統合が真に実現され、時代性と包括性をさらに備えるにいたった。
いわゆる時代性とは、安全の主体を国民、国家から国際へと引き上げ続け、安全の客体を政治、経済、文化、社会などから拡大し、環境、ネット、海洋、宇宙などグローバル・コモンズにまで延ばすことを指す。
いわゆる包括性とは、中国が国際的に早くから認識していたように、中国の安全の夢は世界の安全の夢から切り離せないことを指す。これは第三国を排斥し、仮想敵に的を合わせさえする米国の二国間同盟体制を乗り越え、「安全保障は米国頼み、経済は米国頼み」というアジア・パラドックスを乗り越えるものである。
利益共同体から運命共同体へ、互恵・ウィンウィンから共通の安全保障へ。安全を共に享受し、共に担い、共に築き、共に栄える理念を提唱する。中国の特色ある安全保障観の世界的意義ははっきりと示され続ける。経験が物語るように、政党の安全、体制の安全なしに国家の安全はない。習総書記が述べたように、国家安全委員会の創設は国家ガバナンスのシステムと能力の近代化を推進し、国家の長期的安定を実現するための差し迫った要請であり、小康(ややゆとりのある)社会を全面的に完成し、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するための重要な保障だ。
総合的安全保障観をいかにしてうまく説明するかが、中国の安全保障研究にとって重大な任務となる。総合的安全保障観の提出は、中国の安全保障の思考を豊かにしただけでなく、安全保障分野での中国の国際的発言力づくりにおける新たな重要ステップでもある。将来的に中国は国際的安全の促進を拠り所に、安全保障の国際公共財の供給能力を強化し続け、平安な中国を築き、調和ある世界を建設する。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年4月17日