中国市場に迎合すべきか 頭悩ますスイス時計大手
【中日対訳】 フランスの週刊誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」は7日、「竜それとも虎?」と題する記事を掲載。世界的な腕時計の製造国スイスが「中国人の好みをめぐって、頭を痛めている」という。中国人はスイスの高級時計を特に好むことは紛れもない事実だ。しかし、スイスの各時計メーカーは今、「中国人の好みに合わせて新作を開発することの正否」を問うているという。環球時報が報じた。
中国人の好みに合わせた高級時計の「限定版販売」はスイスの時計業界でもよく見られる現象となっている。例えば、世界三大高級時計メーカーの1つとして数えられている「ヴァシュロン・コンスタンタン」は最近、十二支が入った限定版腕時計を発売。中国市場を強く意識した商品だ。また同じく高級時計メーカーの「ジャケドロー」も「竜」と「虎」をテーマにした中国人向けの時計を発売した。
しかし、中国人の好みは今、急速に変化している。老舗高級時計メーカー「ウブロ(HUBLOT)」の社長は「我々は中国市場に振り回されてはならない」と指摘。「ウブロは毎年、100種類以上の新製品をデザインしているが、中国市場用にデザインしているのはわずか3種類」と語っている。
一方、腕時計メーカーのスウォッチ(swatch)の総裁の孫は「『中国的スイス時計』をデザインするのは、賢明ではない」とし、目を向けるべき点について、「中国の時計業界が成長を続けていている今日、スイスの時計メーカーは中国のメーカーに将来、追い抜かれることを考慮に入れて、準備をしなければならない」と指摘する。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年11月9日