専門家:「注意点を守れば、鳥類の食用は問題なし」
浙江大学医学院附属第一医院感染症陰圧病室から出てきた中国工学院の李蘭娟院士は15日夕、同僚に挨拶がてら、「私の分の鶏めしを残しておいてね!」と話しかけた。李院士は感染症予防を専門としている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国各地ではここ数日、H7N9型鳥インフルエンザ感染者の報告が増え続けている。上海や浙江でも続々と、生きた鳥の体内からH7N9型鳥インフルエンザウィルスが検出されている。多くの市場は次々と閉鎖され、生きた鳥の屠殺は当面見合わされている。生きた鳥の販売が底を打ち始めただけではなく、鳥関連製品を扱う商店や飲食店も巻き添えを食らい、商売は冷え切った状態だ。多くの消費者は、鳥の話題になると血相を変え、ネット上では、「鳥を食べると鳥インフルエンザに感染する」というデマが四方八方に広がっている。
李院士は、照り焼きチキン丼を食べながら、「小さい頃から、鶏は大好物でした。美味しくて、栄養もたっぷり含まれています。十分に火を通せば、鶏肉を食べても全く問題ありません」と語った。
「鳥パニック」に陥っている一般大衆とはうらはらに、李院士は談笑しながら鶏を美味しそうに食べ続けた。
「決して心配しすぎることはありません」--国家衛生・計生委員会H7N9型鳥インフルエンザ予防コントロール工作専門家チームのメンバーである李院士は繰り返した。
李院士は、次の通り話を続けた。
H7N9型鳥インフルエンザウィルスは、高温・紫外線・各種消毒剤などの外部環境に対して非常に弱い。温度100℃で2分間、60℃でも30分の加熱で死滅する。正規ルートから仕入れた鳥類ならば、高温加熱処理を施し検疫検査にパスしたものなら、安心して食べることができる。
科学的な知識に不足していることから、多くの人が、鳥を食べることに抵抗感を持っている。私は、普段と変わりなく鶏を食べている。さらに、皆の心配を払拭するため、さまざまな場所で、鶏肉や鴨肉の料理をつとめて食べるようにしている。
数日前、飛行機の機内で面白いことに出くわした。機内食に鶏めしと牛めしが供されたが、一部の乗客から、「こんな時に、客に鶏を出すのか!」と文句が出た。そのクレームを耳にして、客室乗務員に、「鶏めしを下さい」と私から話しかけた。私のことを良く知っている周囲の数人は、私が美味しそうに鶏めしを食べる様子を見て、同じように鶏めしを食べた。
鳥類も卵類もすべて、普段通りに食べても全く問題ない。ただし、火を十分に通すことと、生きた鳥類にはできる限り接触しないこと、この2点は肝に銘じておくべきだ。加熱する前の鳥類を扱う時には、万一の時に備え、手袋をはめた方が良い。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年4月16日