高所得者ばかりがお金を多く使うとは限らない。同調査の過半数の回答者にとって、これらの出費は月給、もしくはその2倍以上に達している。建築現場で働く河北省邯鄲市出身の姚さん(女性)は、「月給は3000元(約5万1000円)余りで、帰省すると全部使い果たしてしまう」と語った。同調査で、帰省の出費が負担になっていると回答した人が、42人に達した。
これらの予算のうち、両親にあげるお金が最多となっており、48人が最大の出費と回答した。親戚友人へのプレゼント、年越しの贈り物が最大の出費とした人は25人に、交通費と回答した人は22人に達した。これらの人のほとんどは、北京から離れた、多くの出稼ぎ労働者を出している地方都市の出身者だ。列車の切符が手に入らないため、割引なしの航空券、もしくは割高な高速鉄道の切符を選択するしかない。
◆帰省コストはお金で測れない
中国人民大学国家発展・戦略研究院執行院長の劉元春氏は、「年越しの帰省は伝統的な文化であり、多くの人の心にしっかりと根ざしている。帰省のコストを、お金によって単純に測ることはできない」と指摘した。
劉氏は、「北京で働く多くの他省出身者は帰省する際に、両親に月収の数倍に達するお金を贈る。これは『孝』の道を示すものだ。多くの人は他省で働きながら、実家の両親の暮らしが良くなることを願っている」と語った。
劉氏は、「他省から働きに来た一部の人は、普段は家庭と両親に十分に気を配ることができない。両親にお金を贈ることで、後ろめたい気持ちを補える。人々は、出稼ぎに出ても両親を忘れないことを願う。人々は自分なりに努力し、実家に帰省し、両親と春節を過ごそうとする。一部の人は月給の数倍のお金を両親に贈るが、これは親孝行と、先祖を重視する心を示している」と述べた。
北京大学社会学部教授の夏学ラン氏(ラン=鸞の鳥を金に)は、「子供が親孝行をし、月給の数倍のお金を両親に贈ることは間違っていない。しかし苦労しすぎるべきではなく、自分の生活を適度に改善することを学ぶべきだ」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月22日