ネットショッピングは消費に火をつけるか?
ここ数年来、インターネットショッピングが普通の人々の間で飛躍的に普及している。ネットでは日用品や家電製品から自動車まで、ほぼすべての商品を買うことができる。商務部(商務省)がまとめたデータによると、中国のネットショッピング売上高は2007年の542億元から11年は7825億元に増加し、4年で約14倍増加した。11年には社会消費財小売総額に占める割合が4.2%に上った。
ネットショッピングがこれほど歓迎されるのはなぜか。最も重要な原因として、価格が安く質が高いこと、非常に便利なことなどが挙げられる。
多くの人々にとって、日々の暮らしの買い物では、低価格・高品質こそが「真理」だ。ネットで販売される商品のほとんどが、メーカーが優待価格で工場から直接仕入れる商品であり、低コストのネットショッピングプラットフォームで取引が行われ、物流配送網を通じて消費者の手元に渡る。こうした過程ではネットの店舗が唯一の中間業者であり、中間流通段階のさまざまな費用がかからないため、製品は低価格で消費者に販売されることになる。消費者は家にいてマウスをクリックするだけで、低価格・高品質の商品を買えるのだから、ネットショッピングが人気なのもうなづける。
日常生活で人々がよく購入する商品、たとえば野菜をみると、田畑のあぜ道から都市の消費者の食卓に上るまで、5つから6つの中間流通段階があり、どこも利益を得ようと待ちかまえており、絶え間なくコストが上乗せされていく。消費者の手元に届く頃には、野菜の入ったバスケットはすっかり重たくなっている。
ネットショッピングと野菜の流通を比較すれば、ネットショッピングが爆発的に人気を集めるのももっともだといえる。中国共産党第18回全国代表大会での報告によると、内需拡大という戦略的基点をしっかり把握し、消費ニーズが長期にわたって拡大するメカニズムを早急に構築し、国民に潜在的な消費力を発揮させる必要があるとしている。それでは人気を集めるネットショッピングは消費熱をあおり、内需拡大の強い原動力となり得るだろうか。