ソニーが5年ぶり黒字達成 資産売却のおかげ
4年連続で赤字が続いていたソニーが、このほどついに黒字を達成した。ソニーが9日に発表した2013年3月期決算によると、12年度の営業損益は2301億円の黒字、純損益が430億円(約4億5800万ドル)の黒字で、5年ぶりに黒字に転じた。「新京報」が伝えた。
▽資産売却で黒字
同決算によると、12年度の売上高は前年比4.7%増加の6兆8千億円だった。純損益をみると、前年は4567億円の赤字だったが、12年度は430億円の黒字となった。これでソニーは4年続いた赤字から抜けだし、5年ぶりの黒字化を果たしたことになる。
ソニーは今回の黒字の主な原因として、事業構成の調整と財務状況の健全化をはかるために資産の売却を行ったこと、テレビ事業が利益獲得能力の向上を踏まえて赤字を計画的かつ効果的に削減したこと、部品事業、金融事業、映画事業の利益獲得水準が向上したことを挙げる。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の見方によれば、ソニーの黒字は会計操作による部分が大きく、事業運営によるものではない。オフィスビルや株式の売却で上げた利益や、円安、株価上昇を利用した黒字だという。
ある資料によると、ソニーが売却した資産には、医療ポータルサイト「m3.com」の株式、米国ニューヨークにある本社ビル、東京にあるオフィスビル・ソニーシティ大崎の敷地と建物などがある。このうち今年初めの米日オフィスビルの売却では約23億ドルの収入があったという。