ハチミツを集める養蜂業者。 |
春のうららかな日差しの下、騾馬に乗って花見に行くことができる。騾馬は背中にまたがるのではなく、横向きに座るので、騾馬の背中に揺られながら一面の海のような菜の花畑や階段状の段々畑の菜の花をゆっくりと楽しむことができる。道で出会う下校途中の子どもも、草刈をしている高齢者も、温かい笑顔を向けてくれる。誰かの家を訪ねてみれば、主人が温かく室内に招き入れてくれ、現地の特産品であるカブをふるまってくれ、一口食べるとさわやかな味わいが口に広がる。
羅平県は川が多く、馬街村は毎朝霧に覆われる。見え隠れする菜の花の段々畑を目あてに撮影愛好家が牛頭山や五里箐を訪れ、シャッターチャンスを狙う。間に合った撮影愛好家は踊りあがって喜び、間に合わなかった人は翌日再びチャレンジする。夕方になると、馬街村ではどこからでも夕日の下で金色から黄緑、黒へと刻々と色を変える菜の花畑を見ることができる。花の山を見て、背後には花の海がある感覚は人を「怠惰」にさせ、テンポの速い生活に慣れた都会人が現地で週末を過ごすのも納得できる。
馬街には住民と観光客の他に、毎年2月から3月にかけて「遊牧」の人たちが訪れる。菜の花の開花シーズンを迎え、野花が咲き始めると、多くの養蜂業者がはるか遠くから訪れる。観光客が多いため、多くの養蜂業者はその場でハチミツを販売して収入を得ている。馬街鎮の許松琳鎮長によると、養蜂業者は毎年、羅平県だけで10万元(約164万円)は稼げるという。
時期が過ぎて菜の花が枯れてしまっても心配はない。馬街山にはまだ野生のツツジや山茶花、シャクナゲなど20ムー以上があり、次々と開花する。山を越えて広々とした風景を眺める喜びはひとしおだ。(編集YH)