大事な場面で汗をかいてしまうのは気まずいもの。だが発汗は人間に必要な生理的機能であり、そこには東洋人と西洋人とでの違いもある。復旦大学や中国科学院などの研究員は、約3万年前の中国中部で遺伝子変異が起こり、汗腺の密度が15%高くなったことを発見した。東アジア人のほとんどは変異したこの遺伝子を持っているため、汗っかきなのだという。
復旦大学とハーバード大学の科学者らは東アジア人の遺伝子からEDAR370Aと呼ばれる変異を見つけた。遺伝子進化の速度から推定すると、この突然変異は約3万年前に起こったものと考えられる。EDAR遺伝子が発現するタンパク質は、受精卵の中胚葉と外胚葉の相互作用を調節するカギとなり、頭髪も乳腺も歯も外胚葉から分化したものである。そのためこの遺伝子変異は単独で、毛髪や汗腺、歯、乳腺の形態にまで影響を及ぼす。この遺伝子を持っていることで、皮膚上の汗腺の密度は15%高まり、頭髪の太さと密度も高まる。中国と米国の科学者がこれを証明するため、マウスでこのプロセスを再現した結果、EDAR370A変異を持つマウスは汗腺が多くなった。その毛も黄色人種と同じように密度が高まり、直毛になったという。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年4月21日