炭坑で急に落盤事故が発生し、ケーブルが破壊され、無線信号が中に届かない場合、炭坑の中との連絡が途絶え、状況が把握できず、現場の救助作業が多くの課題に直面する。いかに深さ数百メートル、さらには1000メートル以上の深層を通過し、中の信号をキャッチするべきだろうか?同済大学が23日に発表した情報によると、同大学電子・情報工学学院教授の劉児兀氏の研究チームが岩層を通過できる無線通信救助設備の開発に成功した。同設備を利用すれば、地上の救助隊員は炭鉱内の労働者と、リアルタイムの通話を実施できる。この研究成果は24日に開幕する、第2回中国(上海)国際技術輸出入交易会で展示される。新華社が伝えた。
伝統的なWi-Fi、3・4G通信は、何枚かの壁を隔てると信号が弱くなるが、このほど開発された「磁気誘導通信技術」に基づく深層通過無線通信救助設備は、300メートル以上の岩層を通過できる。劉氏は、「同設備は固定も持ち運びも可能だ。同設備は緊急救助キットで、箱の中には送信機、受信機、ループアンテナ、各方向からの受信効果が高い3軸アンテナが含まれる。同設備の基本的な原理はこうだ。送信機はまずループアンテナで交番磁界を作り、それから受信機がこの磁界を感知し、得られた信号を解析する」と解説した。
劉氏は典型的な作業現場を想定し、「炭坑に潜る際に、班長がこの軽量の通信緊急キットを携帯する。落盤などの緊急事態が発生した場合、班長は直ちに箱を開き、送信機を使い地上の固定型・携帯型基地局と通話を行う。地上の救助隊員は炭鉱内からの信号をキャッチすると、これに基づき地上からの現場救助を正確に指示する」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月24日