当時のTシャツの製造方法は、コットンの糸を編み機で筒状に編んでいくもので、そのためTシャツの胴の脇には縫い目がなかった。しかし、現在販売されているTシャツの製造方法は、コストを下げるために、工場のほとんどが非常に細く幅狭のステッチで側面を縫い合わせている。しかし、この製造方法で作られたTシャツは何回か洗うとよれよれになり、本来の型が失われてしまう。
2014年から、レトロな筒状編み上げ、縫い目なしの丸胴のボディがすでにUTの一部Tシャツで採用されている。
またNIGOは荒めの20号のコットンの糸を使用してUTを製造した。着心地は多少ゴワゴワするが、皮膚とTシャツの間にはより大きな隙間が生まれて通気性が高まった。
ボディのデザインと素材のほかにも、NIGOはUTのグラフィックにも大胆な改革を試みた。ユニクロは2014年のUTラインのコンセプトを「新世代のTシャツ(The New Model T)」と定義づけた。中国市場では、ユニクロは北京、上海、広州の3つの地で初めてユニクロUT文化展を開催した。1000種類のデザインの中で、100種類の商品を選びショッピングセンターの中庭やユニクロフラッグシップ店で展示した。NIGO本人も日本から訪中し、会場に足を運んだ。
UTのスタイルの変化はユニクロの世界進出、特に欧米市場にとって有利だと見られている。2014年の2月、ユニクロは日本市場以外のショップ数が530店舗を超えた。中国や米国市場のほかにも、ユニクロは積極的に欧州市場の進出を推し進めている。4月11日にはドイツのベルリンで新店舗をオープンした。この2週間後には、フランスのパリで3階建てのユニクロのニューショップがオープンした。
ユニクロのグローバル化はNIGOを興奮させた。しかし、同時にNIGOはいかに個性と世界中の消費者との間でバランスをとるかという課題にも直面している。
NIGOはこれについて次のように語っている。「たとえ、管理に責任を負う必要がなく、単にデザインに集中すればいいだけだとしても、以前よりもさらにみんなが良いと思えるもの、手に取ってもらえるものを作ることを意識している」。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年5月22日