中国はアジア安全保障会議で米日と激しく論戦を交わしたが、それが会議の一大ハイライトとなったことも否定できない。英BBC記者は「アジア安全保障会議はアジア太平洋地域の各国高官が顔をつきあわせて交流し、地域情勢の緊張解消を図る良い機会だ」と指摘した。ザ・ディプロマット誌は中米日代表の発言について「最も期待に値する」と直言したうえ、三者の論戦について「人々を失望させるものではなく」、大部分のメディアの注目を集めたと指摘した。
アジア安全保障会議はすでに、アジア太平洋地域における最大規模、最高レベルの安全保障対話メカニズムとなっている。中国が会議で各国代表との率直な対話を選択したことは、たとえ「火薬の臭いに満ちて」いても、必ずしも悪いことではない。率直な交流、対話は地域の摩擦解消に、より資するかもしれない。
中国国防部(国防省)の楊宇軍報道官もアジア安全保障会議の最後の記者会見で「アジア太平洋地域でアジア太平洋の重大事について討論する際、主催国側は中国の欠席を望まないし、中国自身も望まない。中国の積極的な参加はアジア太平洋にとってもプラスだ」と表明した。
アジア安全保障会議はすでに閉幕したが、アジア太平洋の安全保障問題は域内各国、さらには国際社会の長期的注目点であり続けている。習主席がCICA首脳会議で提唱したアジア安全保障観は参加各国代表の広範な同意を得た。中国側はアジア安全保障会議でも講演、質疑、討論などを通じて、中国の新型の安全保障観を諸外国に伝えた。
これと比べ、米日代表の講演は軍事同盟主導の地域安全保障観を鮮明にし、「派閥を組む」ことでより多くの国々を自らの傘下におさめ、時代後れの冷戦思考によってアジア太平洋地域の安全保障協力を引き裂こうとするものだった。
中国と米日は異なる2つの「アジア安全保障観」を提唱したと言える。新旧の両安全保障観は今後一定期間衝突し続けるだろうが、最終的な選択はやはりアジア太平洋各国が行い、地域の平和と安全保障協力に資する歴史的答えを示す必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年6月5日