外交部中国領事サービスネットのサイトページ |
【タイ移民局:到着ビザを含む各種ビザで入国する外国人が対象】
タイ軍事政権はこのほど、パタヤ市、サムイ島、プーケット島の観光地3カ所に発令されていた夜間外出禁止令を解除すると発表した。また、タイ移民局は、「タイに入国する外国人は、クレジットカードとは別に、現金2万バーツ(あるいは相当額の外貨)以上を携帯する必要がある」という内容の新政策を発表した。この新規則は、到着ビザを含む各種ビザでタイに入国する外国人に適用され、移民局担当官は、入国する外国人に対して無作為サンプリング検査を実施するという。これまでに、数人の中国人観光客がサンプリング検査の対象となった。
タイ国家観光局北京事務所の職員は、「タイが新政策を発表したことは間違いない。だが、その理由は明らかにされていない。タイ情勢は引き続き不安定で、タイを訪れる外国人観光客は、40%から50%減少した」と述べた。
【専門家:新政策によってマイナス影響が及ぶ可能性あり】
中国社会科学院観光研究センターの劉思敏特任研究員は、「携帯している現金の額によって海外からの入国者を制限しようとする今回のタイの措置の背景には、第一に、タイに入国する外国人がある程度の消費力を備えていることを望む為政者の意図があり、単に観光客数が増えることを望んでいるのではない。第二に、不法移住を目論み観光を装い入国を図る、一部周辺国家の住民の行為を抑制するという目的もある。一定額以上の現金の携帯を義務付けた今回のやり方は、目先の利益こそ生じるかもしれないが、長い目で見ると、外国人観光客の反感を買うものであろう」との見方を示した。
中青旅マーケティング部の葛磊部長は、「タイ軍事政権の意図は、タイを訪れる外国人観光客を誘致し、観光消費を増やすことにある。だが、タイに対する彼らのイメージを損なう恐れがある。消費方式がますます多様化する今の時代に、現金による消費の割合は低下する一方で、今回の措置は、完全に時流に反するものだ」と指摘。 中国社会科学院観光研究センター副センター長の戴学鋒研究員も、「海外旅行の消費でクレジットカードを使う割合はますます増えている。特に、欧米諸国の観光客は、海外旅行時にほとんど現金を持ち歩かない。国内旅行でも、現金を携帯するケースは減り続けている。タイが外国人観光客に対して一定額の現金を携帯するよう義務づけることによって、一部の観光客の反感を引き起こすことは必然だ。また、現金を持ち歩くことによるリスクも生じる」とコメントした。
【ネットユーザーのツッコミ:規定に反感を感じる。もうタイには遊びに行きたくない】
ネットユーザー「夏橙顔夕」さんは、「今回の新措置で、中国人観光客のタイでの消費額を増やそうと図ったのかもしれないが、結果は逆効果になるだろう。もうタイには遊びに行きたくないと感じる中国人が増えるに違いない」と投稿した。また、「开坦克的刺猬」さんも、「この新規定の内容は、非常に不可解だ。クレジットカードとは別に、どうして現金チェックをする必要があるのだろうか?クレジットカードで買い物した借金を踏み倒すとでも思っているのだろうか?非常に感じが悪い!」とコメントした。「白衣渡江」さんは、「1人民元が約5.2バーツだから、約4千元の計算になる。上限額が設けられるのが一般的なのに、タイの場合は最低額を設定するの?このような規定は人間味に欠けている。タイに遊びに行く気はなくなった」と投稿した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月6日