世界中の期待を集める2014FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会がまもなく開幕する。試合で使用される公式試合球「ブラズーカ」は前大会と同じく、そのほとんどが「中国生まれ」だ。今をさかのぼること数カ月前、試合球と練習球がはるばる海を越えてブラジルや参加国のナショナルチームの手元に届けられた。
W杯はいつも各国企業の躍進の舞台となり、今大会は中国企業が飛躍する大会だといえる。浙江省義烏市の税関がまとめた統計だけでも、今年第1四半期(1-3月)に同税関からブラジルへ輸出された日用品は6422万ドル(1ドルは約102円)に達し、前年同月比15.8%増加した。このうちスポーツ用品は125万ドルで同41.7%の増加。
今大会のマスコット「フレコ」は、アメリカ大陸に生息するほ乳類のアルマジロをイメージしたキャラクター。アルマジロには危険を察知するとボールのように丸まって身を守る習性がある。W杯開幕が近づき、今、フレコグッズが爆発的に売れている。だがおそらく多くの人は、フレコグッズが中国で製造されたことを知らないし、中国でデザインされ、中国から世界に売り出されていることも知らない。
中国製日用品だけでなく、中国のハイエンド交通設備もW杯開催地にはせ参じている。
開催地の一つであるパラナ州の州都クリチバでは、空港から市街地への道々でクリーム色のハイブリッド新エネルギー路線バスが走る姿を目にする。これは中国の南車株洲電力機車研究所有限公司(中国南車株洲所)の子会社・湖南南車時代電動汽車株式有限公司が開発・製造したものだ。