北京市文物(文化財)局は、北京と杭州をつなぐ人工運河「京杭大運河」の世界文化遺産登録が決まったことを受け、市が大運河北京区間の遺産保護・修復作業を加速させる方針であると発表した。大運河遺産を構成する38か所の遺産第二弾リストは、近く続々と公表される見通し。光明日報が伝えた。
大運河の北端で輸送ルートの終点となる大運河北京区間では、通恵河北京旧市街区間(什刹海、玉河故道を含む)と通恵河通州区間の河道2カ所および、西城区澄清上水門(万寧橋)、東城区澄清中水門(東不圧橋)の遺産2カ所が、世界文化遺産リストに登録されることに決まった。
北京市文物局は2012年、「大運河北京区間遺産保護計画」を正式に発表、保護対象として関連する40カ所の大運河遺産を指定した。北京市は、世界遺産申請条件にもとづき、玉河故道の観光遊歩道などの環境整備に3千万元(約4億8900万円)あまりを投入した。さらに、通州区大運河沿いにある旧建築群の修復作業や東城区玉河南区の考古・文化景観の再現作業について検討を進め、これらの遺産の世界文化遺産への登録を数度に分けて申請することを目標に尽力している。
北京の現市街地に残っている運河遺産の多くは、元、明、清各時代の京杭大運河遺産である。北京市文化財局の舒小峰局長は、「運河文化遺産および生態環境の改善と沿岸住民の民生事業とを緊密に結びつけ、両者間のバランスを取りつつ遺産保護作業を進めていくことが、文化財部門が当面最も優先すべき重要課題となっている」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月27日