中国(上海)自由貿易試験区で行われていた少額の外貨建て預金の金利上限の試験的な撤廃が、27日から上海市内に拡大されることになった。これは同試験区を出て、試験区外で普及させ・複製する金融改革政策の第1弾だ。中国銀行上海市支店の潘岳漢頭取によると、この措置は同試験区の金融改革のイノベーション成果を一層拡大する上で、よいモデルの役割を果たしているという。
同試験区が設立されると、中国人民銀行(中央銀行)は区内で少額外貨預金の金利上限を他の場所に先駆けて撤廃した。3カ月あまりのテスト期間を経てみると、市場は全体として安定し、区内と区外の金利にそれほど大きな差はなく、区内外の外貨預金の表示金利は基本的に安定し、同試験区から預金が大規模に流れ出すという現象もみられなかった。金融機関は外貨預金金利を自主的に設定しリスクを管理しようという意識や能力が高まり、主要銀行は外貨預金の金利設定のハードルを目立って引き下げた。同試験区にある企業は銀行との金利設定をめぐる話し合いで主導権を握るようになり、財務収益が増加し、資金の管理が一層やりやすくなった。
少額外貨預金の金利上限撤廃改革が上海市で全面的に複製され・普及すれば、次は全国で改革の試みを推進し経験を積むことになる。こうすればより広い範囲でさらに正確に外貨市場の需給状況を反映することができるようになり、自主金利設定メカニズムを整備し、実体経済に対する金融サービスの水準を向上させることになり、企業の資金調達コストの引き下げや実体経済が受ける恩恵の拡大にとってプラスになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年6月27日