ある特定の分野向けに設計された「専用チップ」とは異なり、指の爪サイズの「万能チップ」はソフトの書き換えとプログラミングのみで、高級医療機器、工場内の大型工業機械などの業界を柔軟に跨ぎ、その「大脳」になることができる。中国初の高性能万能チップがこのほど発売された。科技日報が伝えた。
万能チップは使用範囲が広く、開発のハードルが高いことから、技術者がその技を競う「戦場」となっている。1970年代より、サムスンやモトローラなど世界60数社のテクノロジー大手が、万能チップの開発に取り掛かった。数年の期間に数億ドルが費やされたが、その多くは成果なくして終わった。
万能チップの開発は何が難しいのだろうか?万能チップの開発者、京微雅格(北京)科技有限公司の創設者の劉明氏は、「チップ開発者を大工に例えると、専用チップを作る場合、大工は設計図を見て材料を選択し、熟練した腕で斧・のこぎり・かんな・ドリルなどの工具を使えば、それなりの製品を作ることができる。万能チップの場合は、スーパー大工が必要だ。このスーパー大工は自分で設計図を作成するほか、市場では購入できない工具を作る必要がある」と分かりやすく例えた。
同社の関係者は、「当社はこれまで国内初の、独自開発の万能チップを発売していた。このほど発売された高性能万能チップのデータ処理性能は、数年前の数倍になっている。数年前の入門クラス万能チップは、携帯型血圧計などの小型設備に使用することができた。このほど発売した高性能万能チップは、CTスキャナーなどのデータ処理量の多い大型設備でも重要な力を発揮できる」と説明した。
一般的な性能の万能チップと違い、高性能の万能チップの場合は、チップの構成部分に最新の部品を使い、簡単に組み立てることで完成というわけにはいかない。1枚の万能チップはメモリ、処理ユニット、機能モジュール、ソフトなどによって構成されており、すべての部分に主流市場における最先端の製品を使用しなければ、自由に形を変えられる高機能の「トランスフォーマー」にはなれない。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月27日