◆精神力が勝敗を左右
PKは簡単に見えるが、W杯という檜舞台では、目の前のゴールにシュートを決めるのは容易なことではない。ドイツの元キャプテンのミヒャエル・バラックは、「PKで最も重要なのは技術ではなく、精神力が80−90%を占める」と語った。
イングランドはサッカー界で最も有名な、「PK弱者」だ。彼らは精神力が弱いことから、「ガラスの心」と呼ばれている。イングランドは1990年から現在までの6回のW杯で、PK戦に敗れている。彼らのシュート成功率は、元NBA選手、シャキール・オニールのフリースロー成功率にも及ばない。
イングランドの伝説的FW、アラン・シアラーは現在もPK前の葛藤を忘れられない。「PKになると体がこわばり、心拍数が普段の100倍になる。試合前に何度練習しても、あの瞬間になると真っ白になってしまう」
心理学者は「PK弱者」について、「PKの際に多くの選手はGKに注意を向け、その体の動きを観察することでどちらに移動するかを判断する。しかし研究によると、こうする必要はあまりない。選手はGKを観察しようとするほど緊張し、ミスを犯しやすくなるからだ」と指摘した。
◆成功率は右上が最高
それでは最も成功率の高いエリアはどこだろうか?
W杯のPK戦のデータを分析すると、ゴールを9つのエリアに分けた場合、蹴る側から見て右上が最も成功率の高いエリアとなる。W杯のPK戦で、このエリアの成功率は88%に達する。成功率が最も低いのは真上で、55%のみだ。
一般的にはFW・MFのシュートの方がDFより優れているが、PK戦ではそうとは限らない。W杯の歴史における339回のPK戦において、FWの成功率は83%と最高で、DFは74%で2位となった。最も頼りないのはMFで、成功率は71%のみだ。前回のPK戦で、ブラジルの先制点を決めたのはDFのダヴィド・ルイスであったが、両チームの5回のミスのうち4回はFW・MFによるものだった。
データによると、蹴る選手の年齢によって、命中率に大きな差が生じる。W杯の歴史において、31歳以上のベテラン選手の成功率が最も高く、81%(54回中44回)となっている。18−24歳の若手も、79%(100回中79回)と悪くない結果だ。これと比べ25−30歳の選手は雑念が最も多く、成功率が71%(207回中147回)のみとなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月30日