北京では今夏、頻繁に雨が降り、間もなく本格的な降雨シーズンを迎える。北京地鉄分公司は各種ケースに備えて増水対策試案を制定、ゲリラ豪雨やゲリラ雷雨に見舞われた時には、警報ランクに応じて適宜減速運転を行う。このうち、列車乗務員の可視度が50メートル未満になった場合は、正常時の運転速度(時速80キロメートル)に比べ55キロメートル遅い、時速25キロメートルに落とすこととなっている。北京青年報が報じた。
「北京市地鉄運営有限公司洪水対策応急試案」によると、事象(気象状況や事件事故)の波及範囲、危害の程度、影響力の大きさ、人や財産の損害状況に基づき、事象を深刻度の低いものから順次、「ふつう」「やや大きい」「重大」「特に重大」の4ランクに分け、それぞれ「青」「黄」「橙」「赤」の色で表示することとしている。
地下鉄15号線の関係者は、「通常時は時速80キロメートル前後で列車を運転しているが、15号線総合調整室が青色警報を発令した場合は、時速30キロメートルまで減速する」と話した。
ゲリラ豪雨の影響で、運転士や乗務員の可視性に影響が及んだ場合も、列車を減速する。たとえば、15号線では、乗務員の可視度が100メートル未満となった時、運転速度を時速45キロメートルに、50メートル未満の場合は時速25キロメートルに、それぞれ減速する。可視度が5メートルを切った場合、列車をただちに停車する。
ゲリラ豪雨が降り続く間、減速運転を行うのは、地下鉄の線路に異物が侵入して故障が発生する場合が往々にしてあることによる。
北京地鉄運営公司第三分公司の担当者は、「第三分公司が管轄する地上線(高架線)の13号線は、雨が降ると、列車は自動運転から手動運転に切り替わる。可視度が一定以下に下がった場合は、列車の運行を停止する」と語った。
短時間でのゲリラ豪雨によって、信号システムに影響が及ぶ場合があるほか、車輪のすべり、駆動異常、車両の追突などのアクシデントが発生する恐れもある。このような状況の下では、列車の運転システムは「減速方式」に切り替えられる。つまり、先行列車が発する信号にもとづいて最寄り駅の総合調整室担当者が後続列車の運転士に「青信号」を発するという方法をとることで、先行列車と後続列車との車間距離を一定以上に保ちながら運転する。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年7月1日