調査会社ニールセンが21日に発表した中国消費者信頼感指数の報告書によると、2013年第4四半期(10-12月)以降、中国の消費者の信頼感指数が3四半期連続で111ポイント(p)という歴史的な高水準を保っている。三線都市の指数が全国トップで、第1四半期(1-3月)の111pから第2四半期(4-6月)は113pに上昇した。人民網が伝えた。
▽消費者信頼感指数は経済鈍化の影響を受けず、高水準を維持
国家統計局がこのほど発表した上半期の経済データによると、上半期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.6%上昇し、第1四半期は7.7%増加、第2四半期は7.5%増加で、増加率は鈍化傾向をみせた。経済は全体として落ち着いているものの下ぶれ圧力がある中、同指数は珍しいことに高水準を保った。ニールセン中国の範奕瑾副総裁(副社長)は人民網の取材に答える中で、こうした状況について、「過去2年間に比べて、中国のGDPや他のいくつかの経済指標はいずれも鈍化傾向をみせたが、米国、英国、インドなどの国に比べれば、7.5%という成長ペースは非常に喜ばしい数字だ。経済成長にバブルが存在するかどうかの判断は、主に国内消費の占める割合をみなければならず、政府が発表した小売総額をみる限り、中国の経済全体の質はなかなかのものだといえる。国内消費がGDPに占める割合は減少しており、これはつまり輸出と投資の割合が増加したということ、また経済構造がより合理的になったことを物語る」と述べた。
範副総裁の説明によると、消費者信頼感指数は主に期待指数、個人経済状況指数、消費意欲指数で構成される。現在は消費者の就業への期待と個人の財務状況が基本的に安定した状態にあり、信頼指数全体の上昇を後押しするのは主に消費者の購入意欲だ。現在、購入意欲は四半期ごとに上昇している。こうして、ここ3四半期の消費者信頼感指数は高水準を維持したのだという。
▽ソーシャルメディア浸透で、都市部の消費者信頼感指数の開きが縮小
ニールセンのデータ報告書によると、三線都市の消費者信頼感指数は全国トップで、第1四半期の111pから第2四半期は113pに上昇した。四線都市の指数も2p上昇した112pに達し、全国2位だった。一線都市と二線都市は第1四半期より低下して、平均110pになった。農村部は第1四半期の水準を維持して110pだった。
微博(ウェイボー)や「微信」(WeChat)といったソーシャルメディアの登場により、情報の公開が進み、透明性が増した。範副総裁は、「ソーシャルメディアによって世界は均質化し、消費者は経済情勢や市場の情況をよりはっきりと理解できるようになった。3年前には、都市の等級の差によって消費者信頼感指数に大きな開きがあったが、ソーシャルメディアの浸透によって、今はますます同一化に向かい、差がますます縮小している」と説明する。
このほかソーシャルメディアの登場によって、消費者はより迅速に情報を収集し、より迅速に購買行動に移れるようになり、ソーシャルメディアは消費者の購買意欲を間接的に強化した。範副総裁は、「中国の消費者信頼感指数は他国と比べていくつか特別な点がある。他国でより多くみられるのは3つの要因が同時に指数を動かすという状況だが、中国は消費者サイドの消費意欲が指数を動かし、消費意欲が指数全体の中で大きな割合を占めている」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月23日