極小ナノスケール(10ナノメートル以下)において、ナノメタル粒子はどのように圧力を加え、引き伸ばし、カッティングしても元通りになる。
SF映画のターミネーターでは、アーノルド・シュワルツェネッガーが散弾銃で液状のロボットを射撃する。ロボットは体に無数の穴を開けられるが、元通りになり復活する。東南大学が発表した情報によると、同校の電子科学・工学学院の孫立涛教授が率いる研究チームは、10ナノメートル以下の銀粒子の室温環境における準液体行為を初めて観察した。これは極小ナノスケール以下(10ナノメートル以下)であれば、一般的な金属のすべてが、どのような力を受け形を変えようとも元通りになることを意味する。人民日報が伝えた。
この研究を通じ、ターミネーターの液状ロボットに似た「ミクロ版」が、近い将来に生物医学などの分野で活用されるようになるかもしれない。孫教授の率いる研究チームは、浙江大学電子顕微鏡センターの張沢氏、マサチューセッツ工科大学の李巨教授、ピッツバーグ大学の毛星源教授のチームと3年に渡り研究に取り組み、このほど「ネイチャーマテリアルズ」の最新号に論文を掲載した。この研究は従来の金属の塑性変形に関する理論に対する、ナノスケール上の重大な修正と飛躍だ。
ターミネーターの巨大な液状ロボットを作ることはできないが、ミクロ版ならば将来的に実現できる。胃腸症の患者はかつて胃カメラに苦しめられていたが、一部の病院はカプセル内視鏡により苦しみをやわらげている。ナノスケールの金属材料ならば、人体のより奥深くを調べることが可能だ。例えば超小型の液体金属ロボットは、患者の毛細血管に入り、血栓を取り除く清掃員になれる。
またナノメタルという「どんな形にされても元通りになる」という特徴は、大幅に変形しても摩耗することのない金属関節や記憶のスイッチ、センサーやナノロボットの分野で幅広く活用できる。折り畳める携帯電話のパネル、血圧と心拍数を測定できる医療用スマート皮膚などは、長時間の変形と断裂に耐えられない。しかしナノメタル粒子の発見により、永遠に断裂しない、折り畳める電子機器が製造できるようになるかもしれない。
一部の国はトンボの飛行原理を模倣した小型のトンボ型偵察機を製造しているが、羽を高頻度・高速で動かすことによって摩耗や変形などの問題が生じる。今回の新しい成果を活用すれば、この技術的手段が改善される。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月20日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257、080-5077-8156 北京 (010) 6536-8386