10月15日、程永華駐日中国大使は日本の「内外情勢調査会」に招かれて、中日関係と中国発展について講演した。株式会社時事通信社の西澤豊社長および調査会の会員1000人近くが出席した。
中日関係に関して程大使は次のように表明した。私の見方を直接はっきり理解していただくために、三つのことばで簡潔に説明したい。第一は両国関係に影響している政治的障害を早急に取り除くこと、第二は両国関係の改善が民心の望むところ、即ち国民の希望だということ、第三は客観的位置づけと理性的認識をもつということ。これらは両国関係の長期的な、安定した発展を保証するものだ。
「障害」について言えば、歴史および領土問題は当面の中日関係におけるガンであり、中日関係に著しく影響し、それを妨げる政治的障害になっている。この二つの問題は日本側が引き起こしたもので、両国関係を改善するには、それらは避けて通れないし、引き延ばすべきでない。日本側が誠意と実際行動を示し、適切に処理し、両国関係の政治的障害を取り除き、中日関係を再び正常な軌道に戻すよう希望する。
習近平主席は抗戦勝利69周年記念座談会で、「歴史は取り戻せないが、未来は切り開くことができる」と指摘した。過去の侵略の歴史と一線を画し、歴史の教訓を正しく取り扱い、しっかり汲み取ってこそ、日本が一日も早く過去の重荷を下ろすのに役立つ。私たちが歴史を忘れないのは、恨み続けるためではなく、歴史を鑑とし未来に目を向け、共に平和を大切にし、平和を守るためだ。私たちは日本が歴史と人民と未来に責任を負う態度で、歴史問題を慎重かつ適切に処理し、二度とこの問題で両国関係を困らせないようにすることを望んでいる。
程大使は「民心」について次のように表明した。両国には世論の面で、中日関係の順調で安定した発展を実現する厚い基礎がある。世論調査の結果は2年連続して、両国市民の70%は中日関係が重要で関係を改善すべきだと考えていることを示している。中国と日本は引っ越すことのできない近隣の大国で、隣人は選ぶことができるが、隣国は引っ越せない。「和すれば共に利し」を追求し、「闘えば共に傷つく」を避けることは、歴史が残した正反両面の経験と教訓に由来したもので、それ以上に両国の国民がグローバル化と地域化という情勢の下で、共同の発展を求めるための現実的な選択だ。
北京東京フォーラムが先ごろ東京で開かれ、日中経済協会の大型代表団が訪中し、上海歌舞団が東京で舞劇「朱鷺」のプレビュー上演会を開いた。また今月末には両国の地方が北京で第2回省長知事フォーラムを開催する。日本国内で両国関係の打開を求める声が高まり、友好的な人びとが両国関係改善の願いを表明している。これらの措置と動きは、両国関係の空気を和らげる双方の努力が積極的効果をあげたことの反映だ。双方が引き続き世論の流れに沿って、意見交換とインタラクションを深め、さらに両国関係改善のために有利な環境を整えるよう希望する。