この帰還方式は制御の精度に厳しい要求を突きつける。高く跳躍しすぎれば、宇宙船は着地点から外れてしまう。跳躍できなければ、大気圏をそのまま突破し燃え尽きる可能性がある。カク氏は、「地上から60-90キロ離れた上空の大気は変化が激しく、昼と夜、太陽風、地球地場などの要素から影響を受ける。大気の変化は誤差が激しいため、制御誘導システムは変化への対応力を高めなければならない」と指摘した。
カク氏は、「第二宇宙速度の帰還は、嫦娥5号のすべての重要技術のうち最も難しい部分で、地上のシミュレーションでは十分に検証することができない。今回の試験飛行は、より現実に則した飛行データを収集し、これまでの研究・分析・設計・製造などをチェックし、嫦娥5号の再突入帰還に関連する軌道の設計、空圧、耐熱、制御誘導などの重要技術を検証するため実施される」と話した。
劉氏は、「帰還方式の他に、今回の任務では中国宇宙事業の多くの『初』を実現する。中国は今回、初めて宇宙機を月から地球に帰還させる。また第二宇宙速度の再突入で、一部の耐熱技術の初の飛躍を実現する。それから、今回の任務に使用される帰還モジュールは神舟の帰還モジュールより小型で、広い範囲における小さな目標を捕捉する能力を検証する。これも初のことだ。今回の試験はハイリスクだが、参加者全員は自信を持っている」と述べた。
今回の試験で使用される「長征3号丙」ロケット、飛行試験機などの製品は、8月上旬に同センターに輸送されてから、組み立てや試験などの技術準備が進められてきた。各システムは正常で、打ち上げの条件を満たしている。ロケットは22日に推進剤の注入を開始し、すべての準備作業が順調に進められている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月23日
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