▽独自ブランドが国際大手の独占状態を徐々に打破 昨年は販売の4分の1占める
哈爾濱(ハルビン)工業大学ロボット研究所の趙傑所長は、「中国はロボット応用の基礎研究から産業化に至る研究開発体系を基本的にうち立てており、工業用ロボット、サービス用ロボット、特殊なロボットなどの各産業が基本的な形を整えている」と話す。
中国ロボット産業連盟がまとめた統計によると、13年に中国で販売された工業用ロボットのうち中国独自ブランド企業のものが9500台を超えて4分の1を占めた。工業用ロボットのサーボモーター、減速器、サーボドライバー、コントローラーといった重要部品の産業チェーンも形を整えている。サービス用ロボットの分野では、科沃斯や銀星智能などのお掃除用ロボットが100万台近く売れて、一般家庭で使用されている。医療や介護などの分野でも、最近開発された一連のロボットのサンプルがテスト応用の段階に入った。
▽重要部品の国産化はまだ コスト高の原因
蘇副部長は、「中国の工業用ロボット産業は急速に発展しているが、先進国と比較すれば、なお大きな開きがある。中国独自ブランドの工業用ロボットは3軸の座標型ロボットと4軸の多関節型ロボットが中心で、6軸の多関節型ロボットが全国の工業用ロボット販売台数全体に占める割合は6%にも満たない。外資系ブランドが販売する工業用ロボットの多関節型ロボットが国内の工業用ロボット販売台数全体に占める割合は62%に達する。独自ブランドロボットは国民経済の各分野の発展ニーズにまだ全然対応できていない」と話す。
現在、中国の工業用ロボット企業が真にもうけを出すことができる事業はシステム集積だ。重要部品はまだ国産化を達成したとはいえず、国産ロボット本体のコストは海外メーカーよりもはるかに高く、事業規模の拡大を難しくしている。165キログラムの6軸多関節型ロボットの場合、現在の海外製品のコスト総額が16万9千元(1元は約18.6円)であるのに対し、国産ロボットは29万9千元にもなる。減速器だけでも、国内メーカーの調達価格は海外企業の約5倍で、価格差は7万元を超える。
上海通用(瀋陽)北盛汽車有限公司の第3期車体製造現場の賈永泉経理(マネージャー)は、「設備調達の入札で、企業はこれまで国産ブランドの溶接ロボットを検討していたが、評価の結果、精度や信頼性が十分ではないことがわかった。重要部品を輸入に頼るため、価格は海外製品を70~80%上回る」と話す。
だがこのような局面はもうすぐ打破される見込だ。工業用ロボットの4大コア技術の1つであり、総コストのうち25%を占める減速器は、すでに広州数控設備有限公司が開発に成功している。同公司の何敏佳董事長(会長)は、「6年前、広州数控は研究員の2チームを投入して減速器の開発に着手し、最終的に重大な飛躍を遂げた」と話す。
また何董事長は、「ロボットの最重要『4大部品』を掌握すれば、国産ロボットは『価格決定権』をもつようになる。工業・情報化部が13年に発表した指導意見によると、20年をめどとして国内に整った工業用ロボット産業システムが形成される見込で、ハイエンド市場の占有率は45%を超えることが予想される」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年11月6日