近い将来、人々は「住民身分証」のような権威ある、統一的かつ一般に適用する「オンライン身分証」を手にするかもしれない。オンラインの身分認証とプライバシー保護は、よりシンプルで安全になる。北京晨報が伝えた。
中国公安部(省)第3研究所が発表した情報によると、オンラインのバーチャル社会の管理、国民のネット上の安全およびプライバシーの保護といった差し迫った需要をめぐり、中国は5年間の技術改善を通じて「オンライン身分証」技術を独自に開発した。この「eID」と呼ばれるオンライン身分証の大規模普及に向けた技術的難題はすでに解消されており、全国唯一の「公安部公民オンライン身分識別システム」も構築されている。
上海で開催中の第16回中国国際工業博覧会において、同研究所は「オンライン身分証(eID)」技術を展示し、多くの来場者の注目を集めた。
オンライン身分証は「住民身分証」のような証明書ではなく、クレジットカードのチップに搭載される。見た目は普通のクレジットカードと同じだが、オンライン身分証が搭載されているクレジットカードをカードリーダーやスマートフォンの背面で読み取れば、ネット上で氏名、住所、電話番号、身分証ナンバーなどの個人情報を提供する必要がない。便利にネット通販を楽しむことができ、配送状況も一目瞭然だ。
同研究所の情報ネットワークセキュリティ公安部重点実験室副室長の厳則明氏は、「中国が独自に開発した同技術は、『国密SM2』と呼ばれる計算法を採用している。高強度の安全メカニズムにより、無断の読み取り、コピー、書き換え、違法な使用を防ぐことができ、自分だけのカードを所持できるようになる」と説明した。
同研究所は中国で同技術の普及に向けた試行を進めている。北京郵電大学では2012年に3万枚弱が配布され、キャンパス内のオンライン業務全体の試行を実施した。eIDを搭載した中国工商銀行の金融ICカードも、全国で試験的に600万枚発行されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月10日