関連部門は現在、「海上シルクロードの銀行」の設立準備を指導中だ。同行の設立準備に参加する主要機関には海上シルクロード投資基金管理センターがある。同行の登録資本金は既定の50億元(約943億円)にさらに上乗せされる見込みだ。現在、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の多くが同行の設立準備に参加の意向を示している。「中国証券報」が伝えた。
このほか地方レベルのシルクロード基金の設立準備も進められている。
▽民間資本でシルクロード銀行を
同センター関連部門の責任者によると、同センターは民間の基金会社であり、海上シルクロード銀行の設立に参加する目的には、シルクロード関連のプロジェクトに資金面の支援を提供することのほか、より重要なこととしては民間資本の立場で「一ベルト一ロード」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)のプロジェクト建設に参加し、中国企業の海外投資において政府色を薄めることがある。
同責任者は、「設立準備中の海上シルクロード銀行は、国内唯一の国が行う対外投資を代表する民間銀行になる。国がシルクロード基金の設立をうち出すと、同行の登録資本金は既定の50億元にさらに追加されることになる」と話す。
また同責任者は、「今年7月、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は民間のテスト銀行数行による設立準備作業を認可し、このことが海上シルクロードをめぐる商業プロジェクトに参加する民間資本に大きな信頼感を与えた」と指摘しつつ、「力を合わせて設立準備が進められている海上シルクロード銀行は関連部門の指導も受けている」と率直に述べた。業界関係者は、「『一ベルト一ロード』プロジェクト建設の展開にともない、将来的には海上シルクロード銀行のような民間銀行がほかにも登場する」と予測する。
▽アジアインフラ投資銀行の支援が拡大
「一ベルト一ロード」プロジェクト建設を支援するため、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も市場化の役割を発揮し、関連プロジェクトの建設を支援する見込だ。AIIBの狙いは「一ベルト一ロード」に関わりをもつ沿線諸国のインフラ建設に資金面での支援を提供し、経済協力を促進することにある。「アジアインフラ投資銀行創設準備に関する政府間枠組覚書」の草稿によると、AIIBの登録資本金は1千億ドル(約11兆5550億円)に上る見込で、このうち中国が半分の500億ドル(約5兆7775億円)を提供する予定だ。
業界関係者の話によると、AIIBは政府が運営するアジア地域の多国間開発機関で、多国間開発銀行のモデルと原則を踏まえて運営が行われ、インフラ建設への支援を重点的に行う。目下の作業計画によると、2015年までに参加各国による規定・ルールの交渉と調印が終わり、15年内に運営をスタートする予定だ。このような「銀行+基金」というモデルは「一ベルト一ロード」への投融資の有効性を高める上でプラスになるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年11月14日