今回米国が対中非難の急先鋒になったのは決して偶然ではない。南中国海問題で一方の肩を持つことに米国はすでに慣れている。中国の主権・権益を損なう同盟国の行為を米国はあれこれとかばい、放任してきた。今年6月にフィリピンメディアは、同国が中業島(フィリピン名・パグアサ島)の施設拡張を計画していることを暴露した。中業島は南沙諸島第2の島で、フィリピンに長年占拠されている係争のある島だが、米国はフィリピンの行為に見て見ぬふりをした。その一方で、米国は中国に対してはあれこれと難癖をつけ、南中国海問題で繰り返し圧力をかけ、「南中国海における行動規範」締結問題で妥協を要求し、いわゆる「南中国海での挑発的行為の凍結」提案によって中国の合法的行動を制約しようとしている。
根本的に見て、これは中米関係発展の問題において米国がまだ姿勢を是正していないからだ。近年、中国は良好な発展基調にあり、中華民族の偉大な復興の実現への道を着実に前進している。これに伴い米国は対中警戒心を募らせ、自らの地域主導権に中国が挑戦することを恐れている。中国が国力の高まりに伴い、領土主権・権益維持の面で断固たる一歩を踏み出していることで、米国はさらに不安を募らせている。米国は将来アジア太平洋地域、特に海洋でほしいままに振る舞うことができなくなることを懸念し、軍事的プレゼンスと既得権益の維持を急いでいる。