「量子科学実験衛星」が2016年に打ち上げられ、宇宙に光り輝く明星がまた1つ追加される。中国科学網が伝えた。
中国科学技術大学ミクロスケール物質科学国家実験室研究員の彭承志氏は、「事前の技術試験はすべて完了している。量子科学実験衛星は、計画通りに打ち上げられる」と語った。
衛星が打ち上げられれば、量子通信は世界をカバーする能力を持つことになる。彭氏は、「しかし量子科学実験衛星は低軌道周回衛星で、夜しか量子通信を実施できず、範囲と使用がまだ限定的だ。量子通信の範囲と使用を拡大するため、複数の衛星のネットワーク化を検討する可能性もある」と話した。
18カ月に渡り建設が続けられた「合肥都市量子通信試験モデルネットワーク」が、2012年2月17日に完成した。
これは世界初の都市量子通信試験モデルネットワークだ。同ネットワークの利用者が発信する情報は、盗聴・複製・解読が不可能になった。
同ネットワークを技術試験の場とするならば、今年3月に使用開始した済南量子通信試験ネットワークは、利用者の日常的な使用に向けられたもので、様々な使用機関の要求に近づくことを目指している。
同ネットワークはすでに90以上の機関に利用されている。ネットワーク内の量子通信集中管理ステーションと端末を通じ、安全な通話・テレビ電話、ファクス、データ伝送が実現された。
同ネットワークの順調な稼働は、量子通信都市ネットワーク技術が、すでに成熟化したことを意味する。
建設中の量子通信ネットワーク「京滬幹線」(全長2025キロ)は、北京市、済南市、合肥市、上海市を連結し、4都市に8Gbpsの暗号化データ伝送サービスを提供する。
現在の主な利用者は銀行や証券会社などの金融機関だ。北京市と上海市の都市量子通信ネットワークは、今年年末と来年夏にそれぞれ構築される。全国をカバーする量子通信ネットワークが、2025−2030年に構築される見通しだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月27日