中米首脳は2013年のサニーランズ会談で、非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの新型の大国関係の構築で合意した。その後1年余り、中米関係は政治、経済、軍事、人・文化などの分野で進展を遂げ、発展の勢いを保った。「新型の大国関係」はすでに中米関係のキーワードとなっている。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
その一方で、最近米国内では新型の大国関係という中米間の共通認識に対するネガティブな論調が増加傾向にある。こうしたネガティブな見方は学界だけでなく、現在の政府と民主党の内部にもある。「中国は新型の大国関係を利用して米国が身動きを取れないようにする」というのがその中心的内容だ。
共通認識形成の初期、米国は不快だった。「新型の大国関係」という理念は中国側が率先して打ち出したものであり、米国は受け入れはしたが、中国が中米関係について主導的に「アジェンダを設定」することは望まず、中米関係形成の主導権を中国に奪われることを懸念した。
米国は本来、新型の大国関係という提案を受け入れることで、米国の戦略に対する中国の疑念や懸念を打ち消し、中国に「米国の地位への挑戦を放棄」させ、米国と協力させるつもりだった。だが中国は米国による「アジア太平洋リバランス」戦略推進の目的と方法に疑問を呈し、朝鮮半島、シリア、ウクライナの問題で「米国を外交的に十分に支持せず」、虫のいい計算が外れた挫折感を米国に味わわせた。
米国は新型の大国関係は米国の力を束縛すると不平を抱いてもいる。「非衝突・非対立」は、軍事的威嚇など強硬手段を用いて中国側に譲歩を迫ってはならないことを意味する。「相互尊重」は台湾、チベット、人権、領土問題で中国に圧力をかけることを制限する。米国は、中国が新型の大国関係を構築するのは台頭をめぐる苦しい立場を緩和するための便宜上の措置に過ぎず、ひとたび米国に挑戦できるまでに強大化すればこのような関係はもう必要としないと問題視してすらいる。米国は中国が新型の大国関係を利用して地域における米国の主導権を弱めることを懸念している。