炭酸飲料市場での利益減少に対応するため、飲料大手のコカコーラは現在、新たな利益成長源を探している。先月30日には、米国で高級牛乳製品を発売して、乳製品市場に進出することを明らかにした。業界では、コカコーラのこうした動きは乳製品による巨額の利益をもたらすだけでなく、製品が多様化して単一商品にかけるリスクを解消し、利益の伸びを後押しすることになるという声が上がっている。「北京商報」が伝えた。
コカコーラ中国法人によると、高級牛乳製品を中国で販売する計画は今のところないという。
この乳業への布陣で、コカコーラは遠い将来を見据えている。同社のグローバル市場顧客担当のサンディ・ダグラス氏は、「今後、一定の時間をかけて牛乳業務に投資し、ブランドを確立していく。初めの数年間はそれほど現金収入は得られないだろうが、『シンプリー』(コカコーラの高級ジュースシリーズ)のように、しっかりしたよい製品を作れば、将来は利益を生み出すことになる」と話す。
中国食品商務研究院の朱丹蓬研究員は、「コカコーラが得意とする飲料は薄利多売の産業である一方、牛乳は原料、設備、技術に対する要求が高く、コストが飲料を上回るだけでなく、利益もそれにつれて高くなる。特に消費者の高級牛乳に対するニーズは年々高まっており、高級牛乳の価格も利益も上昇傾向にある。コカコーラが高級牛乳によって乳業に進出する計画を選択したことは、第一に牛乳市場は販売システム、チーム、ブランド樹立など各方面で飲料市場とよく似ており、ゼロから事業を始めるリスクを回避できるからだ。次に高い利益がコカコーラの乳業市場進出の歩みを駆り立て、加速させているからだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月1日