中日の友好関係を望む日本人俳優
今年9月に放送が始まったドラマ「烽火双雄」で、矢野さんは妹を探すために訪れた中国で、旧日本軍の悪行を目にして心を痛め、最終的に華北方面で活動した中国共産党軍・八路軍の一員になるという役を演じている。「これまで演じていた悪役は、人間性が欠け極端なことが多かった。一方、善人役は人間味があり、演じていても気分が全く違う」と矢野さん。
矢野さんの「変化」に、ネットユーザーからは、「さまざまな役に挑戦してほしい」と、励ましの声が寄せられている。矢野さんのようなケースに、他の日本人俳優も、「頑張って日本兵を演じながら、演技の勉強を続ければ、将来に必ずさらに多くのチャンスが待っている」と感じ、励みを受けている。この点、数々の人気ドラマを手掛けている中国の鄭暁龍(ジョン・シアオロン)監督は取材に対して、「中国の抗日ドラマは、旧日本軍の軍国主義を批判する内容であるべきで、日本人に対する恨みを助長するものであってはならない。起用した日本人俳優らは、真剣に仕事に取り組んでいる。彼らが中国の俳優業で新たな段階へと進んでいくことを願っている」との見方を示した。
矢野さんも「ドラマ出演や中国での長年の経験を通して、中国人が本当に憎んでいるのは『日本兵』であることが分かるようになってきた。撮影が始まったばかりの時は、スタッフらに名前を覚えてもらえず、『鬼子(日本兵に対する蔑称)』と呼ばれ、嫌な気分になっていた」と振り返る。そして、中国の抗日戦争の歴史に関して、中国人の女性と結婚し、子供ももうけている矢野さんは、「国や政府同士の間にいざこざがあると、苦しむのはいつも国民。ここ数年、中日関係は決して順調と言えない。しかし、国家間の交流は、国と国、企業と企業などに留めてはならず、人と人の関係に発展させなければならない。中日の民間交流が増えることを願っている」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年12月16日