矢野浩二
中国で、木幡竜や矢野浩二、三浦研一、塚越博隆などの名前を挙げても、ピンと来る人は少ないかもしれないが、彼らの写真を見せれば「抗日ドラマで日本兵を演じている人だ」とすぐに分かるだろう。これら中国で活躍している日本人俳優は、中国で「おなじみの顔」となっているのだ。 斎魯晩報が報じた。
これら日本人俳優は現在、中国では「嫌われ役」、日本では「疑いの目で見られる」というジレンマに陥っており、地道に活動しながら、状況が好転することを切に願っている。
活躍の場を求めて中国に来た日本人俳優
早くから中国で活動を始めた俳優の矢野浩二さんは、2005年には1年間で抗日ドラマ4作品に出演した。そして、その後も抗日ドラマに出演し、日本兵や士官などさまざまな役を演じている。今年10月、日本のビデオリサーチが発表した「第9回中国版タレントイメージ調査」の結果によると、中国で人気の日本人タレントの男性部門で、矢野さんが人気アイドル木村拓哉を抑えて1位となった。
中国では、抗日ドラマが人気のジャンルとなり、テレビのチャンネルをひねると必ずどこかで放送されているという状態。数人しかいない日本人俳優が引っ張りだことなっている。しかし、これら日本人俳優は現在、中国では日本兵として知られるため「嫌われ役」、日本では「疑いの目で見られる」というジレンマに陥っている。
俳優・三浦研一さんは日本に帰国するたびに、ストレスを感じるという。俳優であることは応援してくれる両親だが、三浦さんが「日本兵」を演じている姿を見るとやはり不快な気持になる。また、日本の友人と会っても、理解を示してもらえずつらくなるという。また、矢野さんが中国で活躍するようになった時、日本国内の掲示板ではそれを非難する言葉が並んだ。2007年、矢野さんが日本の友人と食事をしていた時、胸ぐらをつかまれ「どうしてそんな役を演じなければならないのか?」と聞かれたという。