これまで、がんは生活習慣や遺伝と関係があると考えられてきたが、細胞分裂時に起きるランダムな変異の「不運」に見舞われることによって発生する場合が多くを占めるとの研究論文が、2日の米科学誌サイエンスに発表された。 人民網が報じた。
英紙「デイリー・テレグラフ」の報道によると、研究チームが評価対象とした成人がんのうちの約3分の2は、腫瘍の成長を促す遺伝子で起きるランダムな変異が原因で、それを抑制することはできないという。
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、研究の対象とした31の組織で発生する22種のがんは、ランダムな変異に原因をさかのぼることができる、つまり「不運」が原因で、生活習慣や遺伝子との関係はわずかとしている。その他の9種をめぐっては「変異の不運と環境的または遺伝的な要因との相乗効果に起因するものと思われる」と指摘している。
研究者は、「生活習慣を改善したり、遺伝子検査をしたりして、がんを予防することはできないため、定期的に健康診断を受け、早期治療を受けなければならない」と指摘している。
一方、英国がん研究センター(ICR)のエマ・スミス博士は、「ランダムな変異は『不運』によるものだが、がんのリスクは総合的要素にかかっている。遺伝子や生活環境、生活習慣などとも関係があり、そのほとんどをコントロールできる。がんの40%は、禁煙や健康的な体重の維持、健康的な食習慣、適度な飲酒など、生活スタイルを改善することで予防できる。そうすることで、絶対にがんにならないと保証はできないが、がんのリスクを低下させることはできる」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年1月7日