▽中国製品のコストパフォーマンスは最高
人件費や原材料価格などが値上がりしたため、かつて世界を埋め尽くした安価な「メードインチャイナ」製品が今ではそれほどの強みをもたなくなり、これに代わって付加価値の高い製品を含む「資本の輸出」が台頭してきた。高部長は、「中国の『1ベルト・1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード構想)という戦略的構想において、また相互に補完し合う状況において、実際には資本を輸出すると同時に商品の輸出も行われている。消費的な側面であれ投資的な側面であれ、このような状況がますます顕在化している」との見方を示した。
また高部長は、「どのような対外投資も、相当大きな部分は中国の設備を購入して海外に進出するという形を取る。現在は高速鉄道、火力発電、水力発電の各方面で、中国製品のコストパフォーマンスが世界最高であり、これは一連の先進国を含む各国が中国製品を選択する理由でもある。中国の設備を選択すれば、必然的に中国のサービスを選択することになり、両者は連動していることを誰もがよくわかっている。このことが中国の対外貿易の質の向上と付加価値の増大を何よりも雄弁に物語る」と指摘した。
ここ2年ほどの間に、中国では資本輸出の取り組みが強化され、高速鉄道、原子力発電、火力発電、水力発電、先端設備製造業といった製品・プロジェクトの輸出が中国の生産能力と技術の輸出を促すとともに、「1ベルト・1ロード」をめぐって設立されたシルクロード基金、新興5カ国(BRICS)による開発銀行、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、中国企業による海外での合併買収(M&A)や投資といった資本の輸出も行われた。専門家は、「中国経済の実力が高まったため、中国は資本の輸出を通じて市場を拡大し、貿易大国から金融大国への転換を推進する道を必然的に歩むことになった。データから試算すると、中国の2014年の対外貿易は外資導入を上回り、対外純投資国になる可能性が極めて高い」と指摘する。