科学調査船「大洋1号」の船底のネットワーク実験室において、24時間連続勤務中の呉涛氏はパソコンの前に座り、得られたばかりの近海底磁気データを処理していた。国家海洋局第二海洋研究所の博士課程在学中の呉氏は、第2航行段階近海底磁力計の責任者だ。大洋1号は3本の近海底磁気測定を完了したばかりだ。科技日報が伝えた。
磁気測定は、中国が初めて発見した熱水鉱床である、竜キ熱水鉱床で実施された。呉氏は、「地球には地場がある。磁力計は地場の変化に基づき熱水鉱床で異常を調べる。岩石の磁力はその性質によって異なり、地質構造によっても磁力の変化が生じる」と説明した。
全世界で実施されている磁気測定には、航空、陸地、海洋、検層などさまざまな種類がある。海洋の磁気測定は、海面測定と近海底測定に分かれる。海面測定は通常広い範囲で実施し、広い海域の背景となるデータを集める。これは主に広い範囲の地質構造の研究に用られる。近海底測定であれば、より精密なデータが得られる。
近海底調査において、磁力計は海底に接近する。大洋1号が使用する磁力計は、深海曳行体に取り付けられており、ケーブルにより海底から100−200メートル離れた位置まで下ろされ、緩やかに前進しながら測定を行う。呉氏は、「熱水鉱床の磁気の異常を測定したい。米ウッズホール海洋研究所は2007年に、この海域で磁気データの収集を実施したことがある。同研究所が使用した水中ロボットは、海底から5−50メートル離れた位置で作業できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年1月22日