▽安定成長の「ダブルエンジン」を動かす
「三期累加」(3つの期間が重なること。3つの期間とは、経済成長の転換期、構造調整の変動期、経済活性化政策の消化期を指す)の下でのギアチェンジ期にスピードが低下することへの懸念に対し、李総理は、「私たちは一方では資源配置において市場に決定的な役割を果たさせ、新たなエンジンを育成しうち出していく。また一方では政府の役割をよりよく発揮し、伝統的なエンジンを改良しバージョンアップさせる」と明言した。
李総理は、「中国には13億人の人口、9億人の労働力、7千万の企業と自営業者があり、国民は勤勉で思慮に富む。社会全体のあらゆる細胞が活性化すれば、経済という身体に生命力が満ち溢れ、集まって巨大な推進力が形成されるようになる。人々の起業やイノベーションには無限の創意と無限の富が内包されており、これは尽きることのない『金鉱』だといえる」と述べた。
国務院発展研究センターの張立群研究員は、「中国経済は今、レベルアップの重要な段階にさしかかっており、ダブルエンジンの始動が安定的な成長に力強い動力を与えることは間違いない。中国は現代化に向かって基本的な局面を完成させようと努力しているところで、『1ベルト・1ロード』(シルクロード経済ベルト・21世紀海上シルクロード構想)、『インフラのコネクティビティ』、『新型都市化』などの戦略が実施されるのにともない、国内の経済成長と投資の利益が保障されただけでなく、その恩恵が他国にも広がり、ひいては中国経済自体もこうした相互利益・ウィンウィンの関係の中から利益を得るようになる」と指摘する。
▽今後も中高速の成長ペース
これからの中国経済の動きについての市場各方面の予測も、新常態(ニューノーマル)の下での中国経済の中高速の成長ペースの特徴を改めて印象づける。国際通貨基金(IMF)とスイスのUBSは、15年の中国のGDP成長率を6.8%と予測する。中国科学院とJPモルガン・チェースは、7.2%という予測値を同時にうち出した。
張研究員は、「中国経済について言えば、新常態の最も大きな特徴は『中高速の成長ペース』ということだ。これまでに比べて、中国の経済発展の内部的条件と外部的条件にはいずれも大きな変化が生じており、成長ペースの低下はこうした変化の客観的な現れに過ぎない。また経済成長は『高速』から『中高速のペース』に減速しているが、中国の産業構造と経済運営の体制・メカニズムはバージョンアップと改善が進められている。よってこれはより価値が高く、持続可能性がより高い成長だといえる。こうした点を踏まえると、これからの中国の『中高速のペース』の成長は相当の長期にわたって持続するだけでなく、これまでの『高度成長』よりも確かなものになるだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月27日