日本で福袋と言えば昔から有名である。最もよく知られているのが七福神の中の大黒天。打ち出の小づちと大きな袋を持ち、俵を踏んで宝を招く姿は、衣食が十分にたることを意味しているとされる。
商売では江戸時代に大丸着物店が、「反物」を袋に入れて売り出したことが最初だとする説もあるが、一般には1907年に、当時の鶴屋着物店(現在の松屋百貨店)が福袋を売り出したことが、現代式の福袋の原型とされている。どちらにしても日本の福袋には長い歴史があるといえる。 しかし今や福袋は、単なる気軽な買い物というだけでなく、日本の正月に欠かせない風物詩だ。福袋の中には日用品や服だけでなく、自動車やさらにマンションまであらゆるものが詰め込まれている。
福岡の三越百貨店が売り出した福袋は、これ以上の豪華なものはないという詰め合わせであった。11カラットのダイヤモンドと南極・南米の100日間の船の旅のペアチケットで、総額1億2000万円という代物である。百貨店の関係者は「このような福袋で消費者の方に楽しい夢を見ていただければと思いました」とその理由を語ったが、実際、客のことなどあまり考えていないようだ。 日本の福袋のブームに目を付けているのは日本の企業だけではない。
海外ブランドも参戦している。時代とともに福袋も国際化していくということか。その中の一番人気はアップルの福袋。日本では多くのアップルファンが、福袋が売り出される数日前から店の前で座って順番待ちをしていたという。北海道の札幌では気温が零度以下で雪が降る中、多くの人が発売開始まで座り続けていたという話もある。
来日中国人の数が増え続けるとの伴い、日本の多くの店では中国人向けの福袋を用意している。多くの百貨店では中国語で「いらっしませ」と書かれたコーナーの下で、福袋の販売に余念がない。しかし福袋は、値段は値打ちだといわれているものの、中身は買ってみなければわからない。したがって中身が予想と違うことも往々にしてある。でも買ってみて決して損ではないかもしれない。袋の中にあるのは商品だけでなく、幸福な1年という吉兆が入っているのであろうから。
「チャイナネット」2015年2月2日