ここ数年、米国とインドの上層部が相互訪問するたびに、興奮する西側メディアが少なくない。こうしたメディアは古い考えを再び持ち出すことを躊躇せず、すぐにこうした訪問に中国「牽制」という「重要な任務」があるとする。ブッシュ大統領の訪印時もそうだったし、数日前のオバマ大統領の訪印時もそうだった。(人民日報「鐘声」国際論説)
英紙フィナンシャル・タイムズは「オバマ大統領は日増しに台頭する中国に対するヘッジのために強大なインドを必要としている。同様の理由で、インドも米国を必要としている」と指摘。独紙ハンデルスブラットは「印米パートナーシップのメッセージは主に北京を念頭に置いたものだ」と指摘した。もし本当にこうした西側メディアの言うとおりならば、現在アジアには懸念される大きな対立が生じているのだろうか?当然、現実は断じてそうではない。
現在、アジアの構造は中国、インド、ASEANなど新興市場エコノミーの全面的台頭によって新たな段階に入りつつある。この段階は発展を最大の目標とし、各参加国はいずれも対立、抑え込み、牽制ではなく、協力・ウィンウィンの道を賢明に選択している。この大きな背景の下、アジア太平洋地域の重要なパワーである米国は、どのような立場と力でアジアにおけるプレゼンスを維持するのであれ、地域の発展の潮流を回避することはできず、その勢いに乗ることを選択してこそ、長期間にわたり利益を得ることができる。
中米両大国は過去30年余りの交流で、すでに緊密な経済・貿易協力関係を構築し、地域全体の発展のために良好なプラットフォームを提供した。タイで製造されたハードディスクは中国で他の部品とともにパソコンに組み立てられて米国で販売され、インドで中国製の設備を使って製造された衣類は欧米に輸出されている。経済・貿易協力はすでに中米とその他のアジアのエコノミーを1つにつないでいる。だが印米貿易はまだ中米貿易に後れを取っている。2013年に中米間の製品貿易額は過去最大の5210億ドルに達したが、印米の年間貿易額は1000億ドルで、中米貿易の5分の1足らずだ。オバマ大統領は今回の訪問で「この数字は、米印貿易の大きな潜在力を示している。米印貿易がこの潜在力を掘り起こすことができれば、地域全体により多くのチャンスをもたらすだろう」と述べた。