健康意識の高まりとともに、メディカル・ツーリズムが人々の生活に溶け込み始めている。メディカル・ツーリズムは欧米などの先進諸国では、すでに成熟化している。早くは、海外で特殊な疾病を治療した後、リハビリ旅行に出かける形態を指していたが、徐々に海外メディカル・ヘルスツーリズムの分野にまで広がってきた。北京市旅行委員会の関連責任者は、「海外メディカル・ツーリズムはすでに中国では新興産業となっている。いかにメディカル・ツーリズムのサービスの質を保証し、いかに標準化・システム化して中国内外の医療ネットワークにマッチングしていくかが、現在の中国のメディカル・ツーリズム市場の鍵となっている」と語る。
■日本でがん予防・検診を受けたついでに、旅行する
北京市海淀区に住む李玉(仮名)さんは、おばさんに日本で検診を受けさせるため、現在、さまざまな場所に問い合わせをしている。李さんのおばさんは時々胸が痛む症状がある。ただ、李さんは、この症状は生活に影響を及ぼすほどではないと考えており、そこまで深く考えていなかった。しかし、その後、ある友人から旅行に行った際に海外で検診を受けられるメディカル・ツーリズムがあるということを聞いた。友人は海外の検診は非常に全面的かつきめ細かい上に、旅行もできるので非常にお得だと語った。李さんは、「その後、日本の医療の水準は確かによいことがわかった。しかも、日本は非常にいい旅行先でもある。そこで、メディカル・ツーリズムの目的地を日本にすることに決めた」と説明する。
実際、このようなメディカル・ツーリズムは中国ではすでに早くから実施されており、日本はその中の主要な目的地の1つとなっている。日本へのがん予防・検診のメディカル・ツーリズムを実施している某グループ企業の例をあげると、同プログラムでは現在、日本で計300種類のがんを検診することができる。