打春--豊作を祈る古代中国の習慣
古代、立春には「鞭春」「打春」という慣わしがあった。これは、土で作られた牛「春牛」を鞭を使って叩くというもので、人々は新たな1年の五穀豊穣を祈った。
皇宮に始まった「打春」の習慣は、唐・宋代に盛んに行われた。特に宋の仁宗皇帝が「土牛経」を発布してからは広く伝わり、民俗文化における重要な習慣となった。
この習慣は、かつては儀式的な要素を多く含んでいた。古代の農業はほぼ神頼みであったため、一家全員が神をあがめていた。このことから、立春の慣わしも祈祷が主となった。現在、ほとんどの農村ではこうした習慣が失われ、農業生産も科学化が進み、「打春」に関連する「舞春牛」、「鬧春牛」といった習慣も儀式的な意義を失い、一種の芸術となった。