迎春--吉祥を祈る気持ちは古代も今も同じ
「迎春」は最初、国が執り行う祭りの儀式だった。その後、「宜春帖(文字を書いた紙を門に貼る)」や「挂春幡(春幡と呼ばれる旗を立春に掲げる)」など、シンプルで面白みのある慣わしが、徐々に民間へと広まっていった。
春が到来すると、門の周りの壁に「宜春(良い春)」と書かれた紙を貼る。この習慣は唐代の長安ですでに行われていた。江南では、立春には門に「迎春春来、接福福到」の字が書かれた紙を貼る。内陸部の迎春の習慣は大きく異なる。例えば陝西省銅川市には古くから伝わる「戴春鶏」という慣わしがある。立春の日に、母親が布で3センチほどの雄鶏を作り、子供の帽子のてっぺんに縫い付ける。「鶏」と「吉」は中国語で同じ音で、吉祥を祈る気持ちを表している。
つまり、いつの時代も、どこであっても、立春に全てがうまく運ぶことを祈るという点だけは共通している。今日、農耕時代の考え方はすでに過去の物になり、当時の風習はだんだん廃れてきたが、吉祥を祈るという気持ちは今も変わらない。外在的な形から内在的な願いに変わっただけだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年2月4日