米国の中国問題専門家マイケル・ピルズベリー氏は新著『The Hundred-Year Marathon』で、自らが「気づいた」中国の長期的戦略を明らかにした。「まず西側の技術を取得し、続いて強大な経済を発展させ、最後に米国に取って代わって世界の超大国になる」というものだ。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国にこのような長期的戦略があるのかどうか見てみよう。中国は確かに百年のマラソンを走ってきたと言える。それは20世紀に封建帝政を覆して以来の民主建設と民族復興という世紀の道のりだ。無数の困難や曲折を経て、中国は侵入してきた列強を追い払うことに成功し、国家の独立を実現したうえ、改革開放と国際協力という明るい道を歩み始めた。今日の中国は、すでに初級段階の小康(ややゆとりのある)社会を実現し、世界の注目する新興大国として台頭している。
21世紀に入ると、中国は全面的近代化の実現というウルトラマラソンを走り始めた。この新たなマラソンにおいて、中国はさらに高い目標を掲げ、政治、経済、社会、環境、科学・教育・文化、国防建設の全面的で均衡ある発展の実現を図っている。このマラソンに勝利すれば、確かに中国は世界の先進の列に全面的に入り、中華民族の偉大な復興を真に実現する見通しだ。
これは並大抵でなく困難な、非常に長い道のりであり、壮大な視野、強靱な根気、永続的努力を必要とする。このために、中国は新たな改革開放を始め、古いものを廃して新しいものを発展させることで体制の進歩を図り、民生向上を通じて人権を促進し、提案を幅広く取り入れることで民生を改善している。中国はこの国際マラソンにおいて決して孤立しておらず、多くの国々と共に走っている。このうち多数の国々が中国と同様に、民族の発展、世界の進歩というポジティブな夢を抱いている。
この過程において、中国は国際協力という主張を公かつ明確に打ち出している。グローバル化時代においては各国の生産手段・要素の組合わせを最適にしてこそ、中国の労働力資源と西側の資本や技術との効果的な協力が実現する。中国の発展戦略はすでに、相当程度において他のアジア太平洋諸国や地域にとって成功の模範となっている。中国は自らの特色ある新たな道を歩んでおり、目標もルートも正々堂々たるものだ。このような度量の広い協力によってウィンウィンを実現するからこそ、大量の外資や技術が自ら望んで中国に入ってきているのであり、これは軍事力によって駆り立てることができるものでも決してない。