成長ペースの減速を予測すると同時に、IMFの在中国首席代表のアルフレッド・シプキ氏は、「中国経済には多くの新しい積極的なシグナルがみえる。経済成長への貢献でサービス産業の割合が上昇していること、消費が力強いこと、不動産業が復調していること、金融機関のレバレッジ度の上昇は、いずれも経済がより健全化していることの現れだ」と指摘する。
実際、海外の報道には中国経済に対する楽観的な分析が数多くみられる。ドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」がこのほど掲載した論考の題名は、「中国経済のペースダウンはよいこと!」だ。それによると、ペースダウンや鈍化は経済の構造改革が受け入れなくてはならない代償であり、経済発展の生態環境コストを引き下げ、資産バブル崩壊のリスクの減少にプラスになり、貧富の格差の拡大も防ぐという。
理性的な海外のウォッチャーたちは、目下の中国経済のペースダウンは中国の政策決定層があえてそうしている部分が大きく、ペースダウンの前倒し管理ということはもう数年も前から言われていることで、11年に始まった第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)でも検討されているという。
ノーベル経済学賞を受賞したアンドリュー・マイケル・スペンス氏は10年の段階で、中国政府が当時暗示した7%の成長率に注目していた。「中国が経済成長率を引き下げるのは賢明な選択だ」とも述べている。
中国経済は「無駄な水分を絞り出」し、「GDPばかり重視することをやめ」、「戦略的な定力(揺るぎない力)」を維持し、「新常態」に適応する必要がある。ここ1年ほどの間に、習近平国家主席がさまざまな場面で中国経済について大所高所から述べた言葉が、人々の心に深くしみ通っている。
だが一連の西側メディアはなお疑問を呈する。「借金が多すぎる、建設が多すぎる」というのだ。英国紙「フィナンシャル・タイムズ」がこのほど掲載した論考は、現在の中国経済懸念論の代表的なものだ。同紙によると、中国経済の最近の最大のリスクは、不動産、地方政府の債務、金融で、ここから雇用の危機がもたらされる可能性さえあるという。