国務院新聞弁公室主催の21世紀海上シルクロード国際シンポジウムが開催される中、日本の国際貿易投資研究所(ITI)の江原規由チーフエコノミストは12日に取材に答える中で、「将来、『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)がスーパーレベルの自由貿易区になると想像がつく。中国が21世紀海上シルクロード建設の構想をうち出したことには歴史的な意義がある」と述べた。新華網が伝えた。
江原チーフエコノミストの発言の主な内容は次の通り。
およそ600年前に、世界最大の商業貿易圏がアジア・太平洋地域で形成された。当時、鄭和が「西洋下り」を成功させたことから、中国はアジア・太平洋地域の各国との間にパートナー関係を積極的に構築し、自由貿易を促進し、対外交流に従事した。つまり、当時はすでに今日のアジア・太平洋自由貿易圏が形成されていたということで、しかもこれはコロンブスが新大陸を発見するより90年ほど早かった。
2013年に中国の習近平国家主席が提起した「1ベルト、1ロード」の発展戦略には、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードが含まれている。この発展戦略は広い範囲での協力発展という「壮大な計画」であり、アジア・太平洋地域と中央アジアをカバーし、ヨーロッパ大陸を貫ぎ、果ては遙か遠くのアフリカにも達する計画だ。
その後、2014年11月には、中国はアジア太平洋経済協力(APEC)の開催国として、北京でのAPEC首脳会議の開催中に、またその後のオーストラリア・ブリスベンでのG20サミット(主要20カ国・地域首脳会合)の席で、「1ベルト、1ロード」構想を披露した。21世紀海上シルクロードは「鄭和の西洋下り」の現代版のようだ。
アジア・太平洋地域の国と地域には、信仰の違い、民族の違い、経済発展レベルの違いがあり、協力発展を進めようとしても事はそれほど簡単ではない。こうした背景の下で中国が21世紀海上シルクロード建設をうち出したことには歴史的な意義がある。21世紀海上シルクロードはアジア・太平洋地域の協力発展に新たな道を提供しており、自由貿易区の延伸計画だといえる。
中国は協力発展の革新的計画ではまずコネクティビティをうち立てることが必要だと強調する。言い換えれば、インフラ建設ということだ。この一歩を実現するために、中国は率先してアジアインフラ投資銀行(AIIB)とシルクロード基金を設立した。将来、「1ベルト、1ロード」がスーパーレベルの自由貿易区になると想像がつく。
アジア・太平洋自由貿易圏(FTAAP)と同様、「1ベルト、1ロード」のルートマップができあがるまでには、多くの紆余曲折があることは間違いない。「1ベルト、1ロード」という自由貿易圏の枠組は関係するすべての国の基準や条例に合わなければならず、発展のアンバランスがもたらすマイナス要因を克服しなければならず、ハードルを下げた標準的なルールを制定することが必要になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年2月13日