中国では今年、海外旅行者数が国内の旅行者数を上回る見込みだ。旅行サイト「携程網」で春節(旧正月)のタイツアー、日本ツアー、米国ツアーを申し込んだ人の数は平均で前年同期比約200%増加したという。「環球時報」が伝えた。
韓国紙「中央日報」の25日付報道によると、今年の春節連休期間に韓国を訪れた中国人観光客は約13万人に上り、内需の不振に苦しんできた韓国の流通業界にとっては救いの星となった。18~22日には、ロッテ百貨店ソウル本店の中国人観光客による売上高が同75%増加し、現代百貨店は同60%増加した。
タイメディアの報道によると、今年の春節連休期間にタイを訪れた中国人観光客は30万人に上り、タイ国政府観光庁がまとめた統計では、中国人観光客は同連休期間中、タイに230億バーツ(約844億円)の収益をもたらしたという。
日本紙「毎日新聞」のこのほどの記事によると、日本では中国マネーの沸騰により、ホテルも空港も受け入れ能力の限界に達した。ネットでは「中国人観光客が1週間で日本に60億元(約1140億円)を落とした」などと盛んに言われているが、これは推測の域を出ないもので、公的に証明されたわけではない。だが中国人観光客の「大盤振る舞い」が日本の企業を大いに喜ばせたことは確かに事実だ。東京の三越銀座店や大丸松坂屋といった主要デパートでは免税売上高が2~5倍増加。中国マネーのもたらした「幸運」を受けて、全従業員に総額約3億円の臨時ボーナスを支給したデパートもある。日本メディアは中国人観光客の春節連休中の大量の買い物を、しばしば「爆買い」と表現し、中国人観光客のことを「救世主」と呼んだ。フジテレビは24日、日本では個人消費が長期にわたり低迷し、今後は中国人観光客をしっかりつかまえなければ収入増加は見込めないと報じた。
カンボジアの中国語紙「カンボジア星洲日報」の報道によると、春節連休期間に大勢の中国人観光客がアンコールワットや各地に押し寄せ、ホテルはどこも満員だった。カンボジア観光省のまとめた統計によると、中国人観光客は春節連休中、カンボジアに1800万ドル(約21億3600万円)の外貨収入をもたらしたという。
米国のAP通信によると、中国人観光客が毎年2月に英国で行う消費の金額は平均1420ポンド(約26万円)に達するという。またオーストラリア政府観光局の調査によると、中国人観光客が同国で消費する金額は英国人より27%多く、米国人より40%多く、日本人より62%多いという。
日本の某テレビ局が北海道の新千歳空港を取材し、中国人の観光ツアーの荷物がうずたかく積み上がり、空港に入っても買い物して大きな包みや小さな包みがいっぱいになり、それが原因で中国行きの飛行機は出発が遅れていたと伝えた。番組のコメンテーターは、「私たちは中国の春節期間中の「春運」(注:春節の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)がどんな具合なのか体験したことはないが、中国人観光ツアーの様子をみると、春運がどんなにすごいかがよくわかる」とコメントした。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年2月27日