1979年、12人の外国人モデルが、北京の民族文化宮大劇院で行われた中国初のファッションショーの舞台に上った。30年前、「改革・開放」路線をとることを決めた中国人が初めて自分たちの目で見たブランドは、ピエール・カルダンだった。現在、数多くのブランドがこぞって中国に進出し、中国人のブランドに対する知識もますます深くなってきている。
海外旅行に行く人の数が増え、海外で金に糸目をつけずに買い物をする中国人観光客が、持ち帰ったものは商品だけで、他国からのさらなる尊敬は持ち帰れなかったようだ。西側メディアは中国人の消費能力を認めると同時に、「多くの中国人消費者が購入したのは商品だけで、品位は購入できなかったかもしれない」と評した。便座、電気炊飯器、電動歯ブラシなどの関連製品をこぞって買う現象は、この印象をさらに強める結果となっている。
現時点で、春節期間中に中国人が海外で消費した額などの統計データは出ていないが、中国の研究機関の推計によると、昨年中国人がブランド物を消費した額は1060億ドル(約12兆6800億円)に達し、世界の消費総額の46%を占めた。そのうち、海外での消費は810億ドル(約9兆6900億円)に上る。
活気づく海外での消費に比べ、国内消費は理想どおりとは言えない状況となっている。春節期間の中国国内の小売売上高の伸び率は年々減少している。2014年の小売売上高は前年同期比13.3%の増加で、2005年の統計以来最低の水準となった。
ここからも、「春節期間の中国人の海外における消費ブーム」の現象がますます激しくなるのは、国内消費の需給関係のねじれを反映している、ということが容易に見て取れる。これは経済の新常態を背景にして、巨大な消費潜在力をいかに国内に留めて解放させるかに対する、一種の警告であり、叱咤激励でもある。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年3月2日