■誤解2 「一生懸命仕事をするので、日本の会社員の残業は長くなる」
しょっちゅう中国に帰国する友人は、「絶対に日本では仕事をしたくない。日本の会社員は深夜にならないと帰宅できないからだ」と口にする。確かに、日本の会社員は見たところ残業も多いし、最終電車では眠りこけているサラリーマンやOLの姿を多く見かける。
○誤解の原因
規定の就業時間より1日数時間、長く働くことが、仕事に精を出していることを意味するわけではない。特に日本では勤務時間を延長して働いているのではなく、一日で終えられるはずの仕事をわざと引き延ばして、残業時間を使って行っているのだ。これには、二つの要素が影響している。一つは、前述した同僚からの圧力、もう一つは残業代でお金をより多く稼ぎたいからだ。
会社は社員が残業すれば毎日でも残業代を支払う。不況の今の時代、お金をより多くもらえるのなら、もらっておかなければ損だ。しかも、誰もあなたがちゃんと仕事をしているかなんて気にしていない。デスクに座っているだけでいいのだ。これなら、夜の残業時間を利用して残業代を稼がない理由が見当たらない。
しかし、日本人が他の国の人たちよりも残業時間が長いという事実は否定できない。しかし、これは決して日本人の仕事の効率が高いことを意味するわけではない。しかも、毎日中身のない会議を長時間開き、上司の命令に服従して多くの不必要な業務を行わなければならないのだ。