北京のコンサルティング大手・志起未来営銷諮詢集団の李志起董事長(会長)は、「まずネット通販が伝統的なデパートに与える打撃がどんどん大きくなり、消費者を分断する効果がますます明らかになったことがある。デパート業態がますます競争力を失っており、消費体験という点ではショッピングモールにかなわず、利便性という点ではコンビニエンスストアにかなわず、デパートは存亡の危機に立たされ、ますます生き残りが難しくなっていることもある。過去数百年の間にデパートという業態は大きく発展して、多くの企業がひたすら拡大を続けたが、実際には流通産業に残されたパイはそれほど大きくなかったため、今日の閉店ラッシュが起こるべくして起こった」と分析する。
▽立ちすくむデパート業界はどこへ行くべき?
北京工商大学商業経済研究所の洪涛所長は、「デパートという業態には110年あまりの歴史があるが、北京市は1980年代には王府井百貨、西単商場、東安市場、隆福大厦の4店舗しかなく、当時は開店すれば話題になった。だがその後、店舗数が100を超えると、同じような店ばかりになり、デパート産業は没落期に入った」と指摘する。
洪所長は、「2013年から2014年にかけて、伝統的な大手デパート43店舗が閉店した。閉店は実はモデル転換でもある。伝統的なデパートにはもう発展の可能性がなく、今後はショッピングセンター化、専門店化、スーパーにデパートの役割を加えるといった方向への発展が流れとなり、これに外食やレジャー・娯楽などの体験型サービスが加わることになる。また企業は『微博』(ウェイボー)、『微信』(WeChat)、『微店』(WeChatStore)の営業販売モデルを研究し、スマート店舗へのモデル転換を検討することが必要になる。天猫や京東といったネット通販プラットフォームに店舗を開設し、O2Oモデルによる拡大を目指すことも今後の流れの一つになる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月4日