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炊飯器の一件から革新のエネルギーを見いだそう

人民網日本語版 2015年03月05日08:23

春節(旧正月、今年は2月19日)連休期間に、日本の炊飯器やトイレの便座が品切れ状態になったとのニュースが議論を巻き起こしている。ある人がこれはメードインチャイナの「問題点」を鋭くついたものであると指摘すると、別の人がすぐに立ち上がり、中国の家電製品は実際には日本製品と品質にそれほど違いはないと反論している。人民日報が伝えた。

今回の件から想起されるのは、お隣の韓国でかつて起きた「炊飯器の苦悩」だ。韓国で海外旅行が解禁されたばかりの1983年、釜山市の市民団体「主婦教室」が日本に行って民間交流を行った際、日本製品を大量に買い込んで帰国した。炊飯器、掃除機、カセットレコーダー、カメラ、毛皮などで、当時の価格で約3千ドル分だった。この1件は韓国社会を大きく揺るがし、こうした振る舞いは韓国の恥とみなされた。日本製品を買うことは密輸とされ、製品は没収の上、罰金が科され、主婦教室は上級機関による取り締まりを受けた。

韓国メディアはこの件について報道を続けた。「東亜日報」は同年2月10日に「日本製炊飯器」とする記事を掲載し、当時の韓国国民の日本製炊飯器に対する憧れを紹介し、「金浦空港の税関を通る旅客はほとんど全員が日本製炊飯器を持っている」、「昨年1年間に旅客が持ち帰った炊飯器は1万5千台を超えた。毎日40~60台が旅客により日本から持ち帰られている」などと伝えた。また韓国の主婦は、「日本製炊飯器は3日経ってもご飯の味が変わらない。国産品は1日でだめになる。国産品が優れていれば、誰がわざわざ外国製品を買い求めるだろう」と述べた。当時は市場で売られている日本製炊飯器は13万ウォン(1ウォンは約0.1円)で、海外で買えば8万~10万ウォンほど。国産品は約4万ウォンしかなかった。

製造業界は最終的に、韓国産炊飯器は確かに輸入製品に品質の点で劣り、種類も少ないことを認めたが、さまざまな苦労や苦悩があることも明らかにした。日本製の炊飯器の品質が高いことは確かだが、価格は国産品の何倍もする。一方、韓国の家電メーカーは技術が追いつかないわけではなく、同じレベルの製品を作ることはできるのだが、当時の韓国家電業界では高価な炊飯器を作っても売れないとの見方が一般的だった、というのだ。この「炊飯器の苦悩」を受けて、韓国の製造業界は自国民の消費力や生活の質に変化が起きていることを認識し、新たな需要をしっかりと見据え、積極的に新製品を開発する必要があることを認識した。こうして炊飯器をめぐる騒動は韓国の産業の変化を後押しする重要な要因になった。


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