中国社会科学院世界メディア研究センターの冷淞・秘書長は、マンガやアニメの伝達は主に映像やイメージによるものなので、言葉の壁がなく、各年齢層の人々に受け入れられやすく、民族文化を伝える働きに優れていると指摘する。中国文化を海外に伝えるには打ってつけのメディアとなる。
冷淞・秘書長は、中国が近年海外に輸出してきたアニメはいずれも、真・善・美という普遍的な価値観と文化大国としての姿を積極的に伝えるものとなっていると語る。「これらの作品は、歴史や文化の重みにとらわれることなく、親しみやすい日常的な素材にアイデアがうまく融合されている。『喜羊羊』の登場キャラクターは武術の技も超能力も持たないが、善良さや勇敢さ、素朴さによって人気を勝ち取っている。こうしたアニメは、一般の中国人の生活感覚を世界に披露し、活力に満ちた中国の文化を伝えている」
中国オリジナルのマンガやアニメは、コンテンツ制作で新たな考え方を模索しているだけでなく、作品の海外展開を進めるにあたっても主に二つの道を切り開いている。国内初のマンガ・アニメ分野の上場企業「広東奥飛動漫」は全産業チェーンを自社で揃え、アニメ「火力少年王」の国内外での放送を成功させ、「悠悠球」の世界への売り込みもはかっている。同社のコンテンツ・イメージ事業部の謝坤沢・部長によると、同社は海外にも事業所を持ち、商品を国際市場に直接売り込んでいる。
「喜羊羊」が協力相手に選んだのは、ミッキマウスのキャラクターでおなじみのあの会社だ。広東の「原創動力」は今年初め、米ディズニー社と戦略パートナーシップを締結した。ディズニーの海外での販売ルートと国際運営の経験を借りて、「喜羊羊」の国際展開をはかる。マンガ・アニメ分野で名高い「漫友」雑志社の金城社長は、コンテンツの海外展開は自主展開にせよ国際協力にせよ、中国のマンガ・アニメ企業や文化の輸出にさらに歩みやすく幅広い道を切り開くものだと評価している。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年3月19日