◇ベトナム…緑色の帽子は戦争の産物
中国とは異なり、ベトナムの男性は特に緑色の帽子を被ることを好む。田舎の道端であろうと、都会の界隈であろうと、また、髪が真っ白な年寄りであろうと、よちよち歩きの男の子であろうと、10人に9人は緑色の帽子をかぶっている。とりわけ、ヘルメット型の緑色の帽子がベトナムの男性の間で人気を集めている。
なぜなら、ベトナムの男性が緑色の帽子をかぶることは、自分の家庭が子沢山で栄えており、さらに金銭的にも権力的にも不自由なく、妻が沢山いることさえも他人に示すことになるからだ。その影響か、ベトナムの市場で売られている緑色の帽子の値段はほかの色よりもずっと高い。
ベトナムは戦争の絶えない国であり、非常に多くの男性が戦争を経験している。
そして、ベトナムは熱帯に位置しており、至る所で熱帯森林が繁っている。そうした環境の中、ベトナムの兵士は敵の銃口が自分の頭部に狙いを付けにくくするために、草木の色と同じ色の素材で帽子をつくり、迷彩として身を守ろうとしたのだ。そのため、緑色の帽子は戦争の産物といえるだろう。
今では戦争は既に過去のものになったが、記念か、ある種の精神を表すためか、緑色の帽子は一種の永遠のシンボルとして色褪せることなく今の時代に受け継がれている。
「人民網日本語版」2015年3月20日